部分的な矯正(MTM)の応用
こんにちは。副院長の重之です。
緑がきれいになってきましたね!でかけるのが楽しい季節です。そんな中息子が胃腸炎に。。。
嘔吐と下痢が続いて大変でした。下痢はいまだに継続中(汗)
さて話は変わりますが、当院でのある症例の紹介です。
タイトルにありますが、部分的な矯正治療をおこなって歯を健全な状態で残すように努めた治療方法です。
治療前はこのように歯肉の下にむし歯が進行した歯がもぐってしまっています。この状態ですと、刺し歯を作るのが大変ですし、作ったとしても長持ちしません。そこで写真にあるように前後の歯を支えにしてゴムで歯を牽引します。
すると1~2ヶ月もするとこのように少しずつ歯が歯肉から出てきます。何度かゴム交換は必要です。
ある程度出てきた後は周りの歯肉の調整で外科的な処置が必要になります。
歯肉を開いて、一部骨を削ります。その後縫合。
この時点で既に歯の露出が増えました。ここまでくればあとは歯肉の状態が治るのを待つだけです。
一週間後がこの状態。
むし歯の部分がしっかり外にでて治療がしやすくなりました。このあと土台をいれて刺し歯をつくっていきます。
このように健康な歯の一部を出してあげることで刺し歯のリスクの一つである歯の破折などを予防しやすくなり結果として歯を長持ちさせることができます。
この方法は保険外診療になりますが、妥協的な治療の結果歯を長くもたせられず抜歯になってしまうともはやお金をかけても歯は取り戻せません。
この方法はすべての歯に対応ができるものではありませんが、できる可能性があれば歯の保存に大変有用な方法の一つです。